2004-04-15   thu

欠けたグラスはたまンない

 作家の鷺沢萠さんが亡くなったそうだ。
自殺だったらしい。
 
 文庫・葉桜の日に収められている
「果実の舟を川に流して」という短編を20歳の頃だったか何度も読んだ。
軽やかでどこか冷めた文章が心地良くてとても好きだった。
 

割れてしまったグラスは寿命だったのだとあきらめることができる。
けれど、少なくとも透明に光る部分を残したふちの欠けたグラスは
「たまンない」のだと、これはママ自身が言ったことばだ。
果実の舟を川に流して・鷺沢萠
 
 その短編に繰り返される、バーのオカマのママの台詞。
割れちゃったグラスはあきらめればいい?
綺麗に透明に光る作品を残して死んだ作家は
きっと永遠に欠けたグラスになってしまった。
ぼんやりとそんなことを考える。
残念です。ご冥福をお祈りします。

Posted at 2004-04-15 13:33
欠けたグラスはたまンない へのコメント
isago さま  at 2004-04-17 02:02

「果実の舟を川に流して」は自分も好きな作品でしたので、ご冥福をお祈りしています。
ふちも何処かで微かな光に反射している事を祈って。

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